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高森明勅
2019.3.10 07:00政治

石破茂氏の「原点」

3月10日。
関西ゴー宣道場のゲストは、
ポスト安倍の有力候補のお1人、
石破茂衆院議員。
 
その石破議員が自ら
「政治家としての転機になった」
と仰っているのが平成2年の衆院選挙だ。
以下、ご本人の談話を紹介する。
 
「その選挙は、平成元年8月10日に
スタートした海部俊樹内閣のもとで、
消費税が大きな争点となっていました。
しかし、野党でも与党でも『消費税賛成』を
口にする候補者などほとんどいませんでした。
消費税は必要だと思っていても、
票を集めるために口をつぐみ、
それには触れないようにしていた
候補者がほとんどだったのです。
その中で、
わたしは『消費税は絶対に必要!』
と言って選挙戦を戦いました。
周囲の人から
『そんなことを言っていたら落ちますよ』
と忠告されたものです。
しかし、消費税には賛成なのだからどうしようもない。
『消費税反対と嘘をついてまで代議士になるのはイヤだ。
消費税賛成と言って落ちるなら、仕方がない」
腹をくくって選挙活動を続けました。
その結果は思いがけないものでした。
なんと初出馬では最下位当選だったわたしが、
トップ当選してしまったのです。
その体験が、その後のわたしの政治姿勢を
決めたと言っていいのかもしれません。
『どんなときでも嘘をついてはいけない。
本当のことを言えば、有権者はきっとわかってくれる』と」
(鈴木哲夫氏『石破茂の「頭の中」』)―
 
これが石破氏の政治家としての“原点”なのだろう。
消費税賛成ということより、
むしろ「どんなときでも嘘をついてはいけない」
ということ。
 
特定の誰かではなく、
嘘ばかりついている政治家と
嘘をついてはいけないと心に決めた政治家。
有権者はどちらを支持するのか。
真に指導者に相応しいのはどちらか。
有権者自身が問われている。
 
「きっとわかってくれる」
有権者にならねばならない。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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