3月10日。
関西ゴー宣道場のゲストは、ポスト安倍の有力候補のお1人、石破茂衆院議員。その石破議員が自ら「政治家としての転機になった」と仰っているのが平成2年の衆院選挙だ。以下、ご本人の談話を紹介する。「その選挙は、平成元年8月10日にスタートした海部俊樹内閣のもとで、消費税が大きな争点となっていました。しかし、野党でも与党でも『消費税賛成』を口にする候補者などほとんどいませんでした。消費税は必要だと思っていても、票を集めるために口をつぐみ、それには触れないようにしていた候補者がほとんどだったのです。その中で、わたしは『消費税は絶対に必要!』と言って選挙戦を戦いました。周囲の人から『そんなことを言っていたら落ちますよ』と忠告されたものです。しかし、消費税には賛成なのだからどうしようもない。『消費税反対と嘘をついてまで代議士になるのはイヤだ。消費税賛成と言って落ちるなら、仕方がない」腹をくくって選挙活動を続けました。その結果は思いがけないものでした。なんと初出馬では最下位当選だったわたしが、トップ当選してしまったのです。その体験が、その後のわたしの政治姿勢を決めたと言っていいのかもしれません。『どんなときでも嘘をついてはいけない。本当のことを言えば、有権者はきっとわかってくれる』と」
(鈴木哲夫氏『石破茂の「頭の中」』)―これが石破氏の政治家としての“原点”なのだろう。消費税賛成ということより、むしろ「どんなときでも嘘をついてはいけない」ということ。特定の誰かではなく、嘘ばかりついている政治家と嘘をついてはいけないと心に決めた政治家。有権者はどちらを支持するのか。真に指導者に相応しいのはどちらか。有権者自身が問われている。「きっとわかってくれる」有権者にならねばならない。